好き好き大好き超愛してる。(舞城王太郎)

 

好き好き大好き超愛してる。 (講談社文庫)

愛は祈りだ。僕は祈る。僕の好きな人たちに皆そろって幸せになってほしい。それぞれの願いを叶えてほしい。温かい場所で、あるいは涼しい場所で、とにかく心地よい場所で、それぞれの好きな人たちに囲まれて楽しく暮らしてほしい。最大の幸福が空から皆に降り注ぐといい。「恋愛」と「小説」をめぐる恋愛小説。

 

おすすめ度 ★★★★★

 

この本は、僕が初めて触れた舞城王太郎

冒頭の「愛は祈りだ。」というフレーズをネットで見かけ、気になったから読んでみたけど、本当に大好きな本になった。

恋人を癌で失った小説家の話なんだけど、いわゆる「お涙頂戴もの」みたいな「ほら泣けるでしょ?」みたいな描写はなくて、でも回想される二人の会話だったり恋人に置いていかれた後の主人公の述懐だったりにじわっと涙が滲んでしまう。

あと、この本の特徴として主人公の書く作中作が3つ、間に挟みこまれている。

3つともかなりぶっとんだ内容になっていて、それはそれで楽しめるんだけど、その作中作からも薄っすらと主人公の恋人への想いが感じられて、これも「うまいなぁ」と思ってしまった。

読み終わった後、「愛は祈りだ。」という言葉がさらに素敵な言葉に思えたし、ラスト10ページに関しては何度も読み返すほど好きになりました。

 

好き嫌いは分かれそうな作品だけど、ぜひ読んでみてください。

 

好き好き大好き超愛してる。 (講談社文庫)

好き好き大好き超愛してる。 (講談社文庫)